婚活本「恋愛しない若者たち」恋が面倒になり、コスパで結婚を考えるコスパ婚へシフト

「若者にとって、恋愛がとても『面倒』な時代になった」。こんな文言が背表紙に書かれているのが、「恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚」です。マーケティングライターである牛窪恵さんが、近年の若者たちの恋愛や結婚に対する価値観の変化を調査し、従来型の恋愛結婚から「コスパ婚」に移り変わってきている実態をまとめた一冊です。

 

婚活、という言葉がはやってきたのにも、こういった「恋愛が面倒」という意識があり、恋愛を飛びのけて結婚したい人が増えてきたのかな、と思います。

 

 

恋愛を遠ざける理由

第一章「恋愛レボリューション」では、何が若者たちを恋愛から遠ざけているのかについて詳しく書かれています。

その理由は、

①「超情報化社会」がもたらした功罪

②「男女平等社会」と「男女不平等恋愛」のギャップとジレンマ

③超親ラブ族の出現と恋愛意欲の封じ込め

恋愛リスクの露呈と、若者たちのリスク回避

⑤バブル崩壊と長引く不況が招いた恋愛格差社会

と大きく5つに分けて書かれています。

 

見出しを読んだだけでもかなりセンセーションな内容ですね。でも、確かにそう言った面はあるかも…と思いました。特に、①の「『超情報化社会』がもたらした功罪」で触れられていた、「SNSにより、若者の恋愛は衆人環視に置かれた」という点。

 

「周りの空気を読み、仲間外れにされたくない、みんな仲良くしたい」という価値観があり、身内での恋愛を避けるようになっている、とありましたが、確かにそういう風潮があるように感じました。

 

 

海外の恋愛スタイルは?

第二章は「恋愛とセックスと結婚の歴史、そして世界事情」について解説しているパート。平安時代の日本から、鎌倉時代、江戸時代、大正時代の恋愛と結婚に対する価値観の変化について詳しく解説されています。

 

また、アメリカやヨーロッパ、アジア地域の恋愛と結婚について触れています。海外、特にヨーロッパでは「告白」という文化がないため、まずデートや食事に誘い、アイコンタクトやボディランゲージから恋愛に発展することが多いそう。

 

そういった文化である海外では、友達か、恋人かを知る方法として、「一緒に住もうか」というセリフが注目されているそうです。「同居→同棲→妊娠(出産)→事実婚」へと流れるカップルもとても多いのだとか。

 

日本の若者は、体では欧米流の情緒的な感情や、自由恋愛を求めているけれど、心では「告白をすべき」「セックスは、オンリーワン宣言をしてから」といったアジア流の契約を必要としていて、「どちら」と決めきれず、迷走しているそうです。

 

 

結婚スタイルの多様化

第三章は「恋愛結婚から『連帯結婚』へ」と称して、様々な結婚の形について書かれています。今の若者が結婚に求めているものは、一緒にいて安らぎや安心感、あるいは「楽しい」と感じられる、友達のようなパートナーで、それは「恋愛」というより、「友愛」、「連帯」といえるかもしれません。

 

そして近年、ごく少数派と思われていた多様な結婚スタイル、いわゆる「圏外婚」を選択するカップルが、目に見えて増えてきているそうです。

 

まず初めに挙げられていたのが、「年の差婚」。夫が年上の年の差婚で、妻が感じているメリットは、「穏やかで包容力があり、頼りになる」「知識や経験に基づいて行動できる」「安定した地位や収入がある」の三つだそうです。

 

また、逆の妻が年上の年の差婚も、厚生労働省の調べでは4組に1組はいるとのこと。その場合の年上妻が感じるメリットは、「柔軟で、女性の自分を認めてくれる」「素直な癒し系で下から目線」「まぶしい若さと輝きがあり、自分も若返れる」といったことが挙げられる、と書かれています。

 

 

グローバル婚と逆転婚

続いて挙げられていたのが、「グローバル婚」。05年の入管法改正により、妻が外国人の国際婚は減少しますが、夫が外国人の国際婚の数はほぼ変わらないそうです。

 

「(外国人の異性は)決断や行動に移すまでが速い」「男女平等が浸透。家事も家計もシェアしやすい」「アフター5や休日、余暇や人生を楽しむ空気がある」といった良さがあるそうです。

 

三つ目に出てきたのは「逆転婚、格差婚」。女性が挙げるメリットは、

「相手が低年収や転職中でも落ち着くまでと待つ必要がなく、即結婚できる」

「夫のほうが時間に融通が利きやすく、家事・育児に積極的に関与してくれる」

「妻が家事をある程度怠けても、夫は不満を言いにくい」

など。

 

とくに、仕事は好きだけれど家事は苦手という女性が、逆転婚に抵抗がないようです。

 

 

コスパで選ぶ結婚スタイル

さらに、何でもコスパで考えがちな現20代に向いているとされる、「圏外婚」よりさらに割り切ったスタイルで、コスパ的にお得と感じる「コスパ婚」についても触れられています。

 

一つ目が、「通い婚」。週末などハレの場では、夫婦や家族が一丸となり、みんなでキャンプやバーベキューに出かけるけれど、普段は思い思いの「ソロ活動」をする結婚スタイル。 

 

それに似ているのが、二つ目の「週末婚」、そして三つ目の「別居婚」。妻と夫が別居し、週末や月末だけ会うもの。引っ越しの費用を考えると、こちらの方が「お得」という意見もあるそうです。

 

また、「互いの転勤に左右されず、マイペースで仕事や生活(趣味)ができる」「いつまでも新鮮な気持ちでいられる」「別々に住めば、実家とも行き来しやすい」といったメリットもあるとか。

 

 

経済的メリットのある結婚

さらに、信頼できる人間関係ができていたり、実家からの支援を得られ、経済的メリットが大きかったりする「地元婚」「同級生婚」、家賃や生活費を抑えられ、地域の人々とのゆるいつながりを持てるような、あえて田舎に引っ越して結婚する「移住婚」「里山婚」というスタイルもあるそうです。

 

賃金の伸び悩みといった社会問題もある現代では、こういった経済的メリットを考えた結婚、というのも、一理あるのかもしれません。

 

 

お試しスタイルもアリ 

様々な結婚スタイルが登場しましたが、牛窪さんの調査で若者が最も支持したのが、「同棲婚(お試し婚)」だそうです。

 

「結婚ほど身構えず、お試し感覚で異性と共同生活できる」「割り勘が前提なら、ルームシェア感覚で家賃や生活費を抑えられる」「同棲生活を通じて相手に情が生まれたり、自分に自信が持てる」といったメリットが挙げられていました。

 

ただ、日本の現行制度を考えると、子どもができたときに女性一人に負担がかかる可能性があり、同棲婚を考える女性はその点を踏まえてもう一度よく考えた方がよさそうです。

 

 

産むだけ婚

もはや結婚ではないのでは、とも思いますが、「子どもだけ欲しい」と考える、「産むだけ婚」というのもあるそうです。一人で子育てするのは大変ですが、実家や周囲の人の後押しがしっかりあったり、片親ということへの社会の偏見が解消されたりすれば、こういったスタイルもアリだと思います。

 

むしろ、少子化の解消に期待できる結婚スタイルとも言えますし、「一人でも子どもを産んで育てていける社会」を実現するような法整備がなされることも期待したいところです。

 

 

まとめ

恋愛や結婚への価値観が変わってきている昨今。牛窪さんも、「あらゆる世代が一丸となって、多様婚の在り方を真剣に考えよう!」と言っていますが、日本における未婚率上昇や少子化問題を考えた時、こういった多様婚を理解し、後押しするような社会の気運が形成されるといいな、と感じました。

 

そして、従来の価値観やスタイルを希望した婚活がうまくいっていない人は、本書で紹介されていたような「新しい結婚の形」を視野に入れて婚活してみてもいいのではないでしょうか。

 

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