辛い恋愛を何度も繰り返すのはなぜ?

前回の記事で扱ったダメンズとの恋愛。

突然激怒したり、束縛が激しかったり、急に突き放したり。

やっと別れて新しい恋人が出来ても結局また同じような人なんてこともありますよね。

周りの友人からはやっと別れたと思ったら次もまたそんな人なの?と思われてしまいそうですが

なぜ辛いと思っていたのにまた同じような人を好きになってしまうんでしょうか?

 

 

幸せになれなそうな人を好きになる原理


 

自己肯定感の低さが幸せになれなそうな人を選んでしまう原因の一つであることは前回の記事でも触れました。

 

幼少期のトラウマ的経験や十分に愛情を感じられなかったことに加えて挫折経験や他人と比較した時の劣等感など、様々な要因によって自分を肯定的に受け止められなくなってしまいます。このような場合、自分はこんな人間なのに、こんな人と釣り合うはずがないと魅力的な人物を遠ざけてしまうことがあります。

 

そして自分の自信のなさからコンプレックスを理解、許容してくれる人を求めるので、自分と同じ境遇、条件を持つ人にひかれやすいといわれています。

 

自分と同じ境遇なのに傷つけ合うのはなぜ?


 

同じ境遇、条件で育った、同じ経験をして生きたのであればお互いに惹かれ合って、傷つけあうことはないのでは?と思われると思います。

 

しかし不思議なことに同じ条件であっても男女では行動に差があるとの指摘がされています。

 

There are significant sex differences in the way trauma victims incorporate the abuse experience. Studies by Carmen et al.22,71 and others indicate that abused men and boys tend to identify with the aggressor and later victimize others wheras abused women are prone to become attached to abusive men who allow themselves and their offspring to be victimized further.(Bessel A. van der Kolk

―トラウマを負った人がその経験を受け入れようとする過程には男女で大きく差がある。カルメンの研究では、男性は他人を攻撃することで自己を認識しようとするのに対し、女性は悪態をつき、さらなるトラウマの被害者を生み出すような男性に愛着を抱く傾向があると指摘している。

 

男性の場合はこれが人を傷つけるようなことをしたり、言ったりするという行動で、女性の場合はそもそも幸せになれなそうな人を好きになりもう一度同じ状況を経験することで過去のトラウマを克服しようとするといわれているんですね。人を傷つけるような行為をする、幸せになれなさそうな人を好きになるという行為の根底には幸せを恐れる心が関係してると考えられます。

 

 

幸せになるのが怖い?


 

 

人間の心の幸福の加速を制御する働きはアッパーリミットと呼ばれます。

少し理解しづらいかもしれませんが、幸福を受け止める心の器の大きさの話だと思ってください。

 

人によって耐えられる辛さが違うことは想像しやすいですよね、痛みや苦しみには耐えられる限界があります。

それと同じように幸せになりすぎることを耐えられないと思う心もあります。

 

このような心理状態から上限を超えると自分から幸せを破壊しようとしてしまう人もいるようです。

その破壊行動が男性の場合は浮気や束縛、激怒など相手に対する攻撃行為となり、女性の場合は自らに原因を求めたり、男性側が浮気をしないか必要以上に疑ったりする傾向がみられるようです。

 

繰り返すのには原因がある


反復脅迫(Wiederholungszwang)とは?

反復脅迫とは心理学者のフロイトが名付けたもので、人が無意識的に不幸な状況や苦しい状況を何度も繰り返していくことを指します。

 

例えば、アルコール依存症の恋人と別れた後でまた同じ症状の恋人を作る、などがあげられます。

 

この行動は共依存(自己自身に対する過小評価のために、他者に認めら れることによってしか満足を得られず、そのために他者の好意を得ようとして自己犠牲的な献身を強迫的に行なう傾向のある人のこと)とも重なる部分があります。

 

なぜ反復脅迫が起こるのか?


反復脅迫の深層の欲求は

「やりなおしたい」

何度も同じような状況に自分の身を置くのはトラウマを負った際の傷や後悔を改めることで治したい、なくそうとするのが原因です。同じような状況を選んで追体験を繰り返す人は、克服のための再挑戦をして、毎回それがうまくいかない(=別れる)のでまた同じことを繰り返すというループに陥っているのです。

 

ただし、この繰り返しになっていたとしても「やっぱり自分が悪いんだ」と落ち込む必要はないです。

 

反復脅迫は無意識的に行われており、なぜそうしているのかは自分でも分からないことがほとんどだといわれています。

 

どうしたらいいの?


 

無意識を意識する

 

反復脅迫により何度も辛い、苦しい状況に自分の身を置くのは無意識の場合が多いといいます。

“Many traumatized people expose themselves, seemingly compulsively, to situations reminiscent of the original trauma. These behavioral reenactments are rarely consciously understood to be related to earlier life experiences.”

「トラウマを負った人はその体験に近い状況に身を置くことで追体験しようとすることが多い。こういった行動的な再現は若いころの経験と結び付けて意識的に理解されることはまれである。」

そのため、自分の行動がどんな原因に由来しているのかを認識して意識化することが脱却の第一歩になります。

 

幼いころの経験や親との関わりの中で気になることはありませんか?

 

思い当たることがあれば自分の中でトラウマになっていたことを認識してこれまでの自分の行動も受け止めるよう心掛けてみましょう。

 

幸せになりましょう

あなたが幸せになってはいけない理由は何でしょう?

性格が合わない人も、育ってきた環境やトラウマを受け入れてくれない人もいるかもしれません。

 

しかしそれは単にその人がそういう人であった、というだけであなたが幸せになってはいけない理由ではありません。

自分を理解して、幸せにしてあげる努力を始めてみるのはいかがでしょうか。

 

参照リンク

・Bessel A. van der Kolk, 1989,『The Compulsion to Repeat the TraumaRe-enactment, Revictimization, and Masochism』 Psychiatric Clinics of North America, Volume 12, Number 2

 

・Stepped care in psychological therapies: access, effectiveness and efficiency: Narrative literature review

https://www.cambridge.org/core/journals/the-british-journal-of-psychiatry/article/stepped-care-in-psychological-therapies-access-effectiveness-and-efficiency/16CE065666C896FAAC8A39B80AE470E7

 

・Bexnjamin’s Passagen-Werk

https://link.springer.com/article/10.1007%2FBF00159252?LI=true

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